~”エコキュート”の”騒音” その原因と対策を徹底解説!~
エコキュートはエコで省エネなので、大変人気が高い給湯機ですが、
稀にエコキュートの騒音に悩まされている…といったケースがあります。
実際に、エコキュートの騒音で訴訟まで繋がったケースもあります。
エコキュートから出る騒音の正体は?
エコキュートの騒音が気になりやすい状況って?
エコキュートの騒音で起きるトラブルって?
エコキュートの騒音対策はできるの?
こんな皆様の疑問を、プロのエコキュート業者が解決します!
エコキュートは気を付けることで、トラブルなく快適に使用することができます。
本記事をよく読んで、騒音トラブルに悩まされることなく快適なおうち時間を過ごしましょう!
目次
エコキュートから出る騒音の正体は?
『エコキュートを導入してから騒音で寝つきが悪くなった…』というご相談が稀に飛び込んできます。
まずはエコキュートの騒音とは何が原因なのか、解説していきましょう。
〇エコキュートの稼働音の騒音レベルは?
エコキュートがお湯を沸かす際に出る稼働音はどの程度なのでしょうか。
騒音レベルを、環境省の”生活騒音パンフレット”を参考に表にまとめてみました。
●騒音レベル表
(参考「全国環境研協議会 騒音小委員会」『騒音の目安について』)
エコキュートの稼働音は騒音レベルではかなり低く、図書館内や昼間の閑静な住宅街と同レベルの40dbと言われています。
比較として、エアコンの稼働音が60dbと言われている為、エコキュートの稼働音は騒音とまで言えないレベルだということが分かります。
〇エコキュートの騒音は何が原因?
稼働音が静かだとすると、エコキュートの騒音の原因は何なのでしょうか。
エコキュートは、貯湯ユニットとヒートポンプユニットという2つに機器で構成されていますが、
実はこの“ヒートポンプユニット”から出る“低周波音”が、エコキュートの騒音の原因なんです。
この低周波音は、12.5Hz程の音で、通常の人の耳に聞こえる音ではありません。
聞こえないなら問題ないのでは?と思われる方も多いでしょう。
しかし、実はこの”低周波音”、耳にはっきりと聞こえていなくても、身体が反応し不調を引き起こすことがあります。
特に、エコキュートは電気代の安い夜間に沸き上げを行う為、
夜中に低周波音が気になって眠れない…!といったトラブルが起きることがあります。
20Hz以下の音を超低周波音といい、通常だと聞こえることのない音ですが、
音に過敏な方や夜中の静かな空間では気になる騒音になってしまうケースがあるのです。
〇エコキュートから出る低周波ってどんな音?
“低周波音”と言われても、意識したことのない場合、
どんな音なのか分からない!という方もいらっしゃると思います。
イメージしやすいのは、冷蔵庫の”ヴーン”という音です。
昼間には全く気にならない音ですが、
夜中等静かな時間には”ヴーン”と身体に響くような音が聞こえますよね。
そんな、冷蔵庫の音に近いのが、エコキュートの”低周波音”です。
この低周波音、厄介なのが、全く気にならない/全く感じないという人がいるということです。
身体に悪影響が出る人もいる一方、
全く感じない人もいるためトラブルに発展しやすいのが、このエコキュートの低周波騒音問題なのです。
エコキュートの騒音が気になりやすい6つの状況!
普段は気にならない程度のエコキュートの騒音(低周波音)ですが、一体どんな時に騒音と感じやすくなるのでしょうか。
トラブルになりやすい状況を押さえることで、トラブルを事前に防ぐことに繋がります。
騒音と感じやすくなる状況6つをまとめてみましたので、気を付けてみてください!
➊閑静な住宅街で設置した場合
普段からシンとしているような
閑静な住宅街にエコキュートを設置した場合、エコキュートの騒音を感じやすくなります。
他に音がない場所ではかなり低周波音は際立ってしまします。
➋隣の家との距離が近い場合
エコキュートの設置場所が隣の家と近い場合、お隣からの苦情トラブルに繋がりやすくなります。
自分の家だけでなく、ご近所さんとの位置関係等も踏まえて、エコキュートの設置を考える必要があります。
➌寝室の近くに設置している場合
エコキュートは夜間に沸き上げを行うため、
深夜帯に低周波音で眠れないというトラブルが起こりやすいです。
特に、寝室から近い場所にエコキュートを設置していると、
もろに低周波音が響いてしまうため、設置の際には注意が必要です。
➍窓や換気口等の近くに設置している場合
寝室の近くを避けても、
窓や換気口の近くに設置した場合も、そこから低周波音が入り込みやすいです。
こちらも設置の際に、なるべく近づけないよう工夫することが大切です。
➎周りに置いてあるものと共振している場合
エコキュートの周りにものが置いてあると、
エコキュートの振動に共振して、騒音が増幅されてしまうことがあります。
エコキュートの周りには物を置かない、というのが騒音トラブルを防ぐための鉄則です。
➏冬に稼働している場合
冬は外気を暖めるため、コンプレッサーやファン等が普段より大きく稼働するため、
それに伴って稼働音も大きくなります。
空気も澄んでいるため音が響きやすくもなっているため注意が必要です。
エコキュートの騒音で起きるトラブルって?
エコキュートの低周波音による騒音がどのようなものかを解説してきました。
ここで、実際にエコキュートの騒音によって引き起こる可能性のあるトラブルをご紹介します。
〇深夜に音が気になって起きてしまう
最も起きやすいトラブルが、
エコキュートの低周波音が気になって夜中に寝たくても寝られない、というトラブルです。
1度気になるとどんどん騒音が大きく聞こえてきて、
身体に響く音なので耳栓等でも解決しないことが多いです。
エコキュートを導入する際に設置場所をしっかりと検討することが重要です。
〇低周波で体調が悪くなる
※低周波音による健康被害例
不眠/睡眠不足
肩こり
脈拍異常/動悸
頭痛/耳鳴り
食欲低下
倦怠/イライラ感
〇ご近所からの苦情が入る
人によってはエコキュートの低周波を感じない人もいるため、
自分は気にならない場合でも隣家等からの苦情でトラブルに発展する可能性があります。
実際、2012年に群馬県で隣の家のエコキュートの低周波音で、
頭痛や不眠の症状が出たとして民事訴訟にまで発展したケースがあります。
また、エコキュートの排気は温度が大変低いため、
エコキュートの向きによっては隣家に冷気を当て続け、隣家の暖房効率を下げていることもあります。
自分の家だけでなく、隣の家との位置関係等も十分に考慮する必要があります。
〇人によって音の感じ方は様々…
エコキュートの騒音トラブルは、
自分だけでなく他人がどう感じるのかにアンテナをたてる必要があります。
自分が感じていない騒音も、他人は感じることがある、ということをしっかり理解しておくことが大切です。
エコキュートの騒音対策はできるの?
様々なエコキュート騒音トラブルをご紹介してきましたが、
最後にこれらのエコキュート騒音トラブルを予防する方法を解説致します。
以下を実践し、エコキュートの騒音トラブルを引き起こさないよう徹底しましょう!
〇設置場所をしっかり選定
エコキュートの騒音トラブルを予防するために最も有効なのが、設置場所の選定です。
設置場所を寝室や窓・換気口のそばにしてしまうと、騒音トラブルが起きやすくなってしまいます。
・寝室から15m離す
・窓や換気口のそばは避ける
・隣家についても同じく考慮する(必要があれば隣人に間取り等を聞いて設置場所の相談をすることも重要です。)
これで確実に騒音トラブルがなくなる保証はできませんが、エコキュートを設置する上で考慮すべき最低ラインです。
〇ヒートポンプユニットの設置方向を確認
ヒートポンプユニットが各家に向かっていると、低周波音をもろに受けてしまいやすいです。
できる限り家に向かないようにし、ヒートポンプユニットの前には物を置かないことで
共振やヒートポンプユニットの故障を防ぐことができます。
〇防音壁を設置する
共振を防ぐために、エコキュートの周りには物を置かないことが鉄則ですが、
場合によっては“防音壁”を設置することで騒音を防ぐことができます。
簡易壁を設置するだけでは却って共振してしまうため、しっかりと防音効果のある壁を設置しましょう。
また、防音壁はヒートポンプユニット等、騒音の元から1m高く設置するようにしましょう。
騒音の元がきちんと隠れていないと、防音の効果が得られませんので注意して下さい。
〇防振グッズを使用する
すでにエコキュートを設置しており、防音壁の設置が難しい場合や、
隣家との距離が近く他の防音対策が厳しい場合は、“防音・防振グッズ”を利用しましょう。
防音シートはヒートポンプユニット等に貼ると騒音を防げます。
また、防振ゴムをヒートポンプユニットの下に置くと、振動を抑えることができます。
エコキュートの騒音トラブルは、身体に響くような”揺れ”が大きな原因となっているため、この揺れを少しでも抑えることが重要です。
〇定期的にメンテナンスする
どれだけエコキュートの騒音予防をしていても、
エコキュート自体が故障してしまうと、稼働音が大きくなるなど異音トラブルにも繋がります。
正常に使い続けるために、エコキュートの定期的なメンテナンスは必須です。
〇夜間の使用を控えることを検討する
上記の騒音予防を施しても、どうしてもトラブルが起こってしまう場合は、
夜間の使用を控えることも検討する必要があります。
エコキュートは夜間に稼働することで電気代が抑えられる点が大きなメリットですが、
騒音トラブルを解決しないまま放置してしまうと、訴訟に発展する可能性もあります。
やむを得ず低周波音の響きやすい夜間ではなく、
昼間にエコキュートの沸き上げを行う必要がある場合も稀にある、ということを理解しておきましょう。